絵本をなげるのをやめてくれません
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登録する【専門家監修】ママ友ドクター® にしむらゆみ先生
子育てに関する質問に、ママ友ドクター® にしむらゆみ先生がお答えします。
- Q最近絵本を投げまくります。角が当たったりすると危ないのでやめさせたいのですが怒ってもケラケラ笑ってやめません。いい対応方法ありますでしょうか
- Aまだ2歳だったりすると、ぶつかると痛いということは何となく分かりますが、楽しいからやめられなかったり本の面の部分ではなく角が当たると痛いとかいうのはまだ経験がないので、ついついぬいぐるみ投げている気分と同じように絵本を投げてしまったりすることはあると思います。
物を投げることはどんな物でもよくないですので、絵本に限らず止めさせたいというのはもちろんそうなのですが、ポイントなのは怒ると逆効果です。
なぜなら上手に叱るというのは難しいんですよね。ついつい感情的に怒ってしまうことがほとんどなんです。
そうなるとどうなるかというと、パターン1はママが怒った怖い顔をしたっていう、悲しい経験として記憶に残ることはあるんですが、なぜそれがダメだったのかっていうことに考えが及ばず、何か怖かったっていう記憶だけ残ったりします。
2つめのパターンは、ママが怒ってて、でも「怒ってる顔面白いな」と思って、面白い顔が見たくてどんどん投げてしまうという悪循環に入るパターンがあります。
どちらのパターンも結局は本人が物を投げる、止めてほしい行動を変えるっていうところにはあまりたどり着きません...。
ではどうしたら良いのか?ですが、まず怒らないことが大事です!
基本的に子どもにもし何か教えたかったりしつけたいなと思った時は怒るのはおすすめしません。
ママが相手のためを思ってたとしてもついつい心の感情を全部ぶつけたい相手に言葉をかけがちです。
「何度言ったら分かるの!!」とか「投げちゃダメって言ったでしょ!」、「なんでいうこと聞かないのよ」などのような、そういう感情を同時にぶつけてしまうことありますよね。
そうすると、ある程度年齢が上がっていれば反省する行為が生まれるのですが、やっぱり小さい子のうちはただただ怖いママが感情をぶつけてきて「何か自分を全否定した!」「怖い怖い」って記憶だけ残ってしまいやすいです。
その場は悲しくて泣いたりするのですが、投げたという行為が悪かったっていう学習には繋がりにくいんですね。
また、怒るっていう行為はエスカレートしてしまいがちなので、怒っても怒っても言うことを聞かないからどんどん怒って怒って最後にはつい叩いてしまう、そういうところまでエスカレートしてしまうこともあります。
これからの時代、よっぽど上手に叱るという行為ができる人じゃない限りは、怒るという感情をぶつけてしまう行為はなるべく避けた方が無難です。
ではどうしたら良いかと言うと、基本的に淡々と事務的に伝えることです。「ものは投げません。」「絵本は投げません。」と事務的に伝えるのがポイントです。
あとは、お子さんの顔・目をあまり見ない方が良いんです。
基本的に小さい子に関して言うと、悪いことをしてママの注目を浴びると「注目してくれるんだ!」という学習しちゃう事があるので、目を見ることでママの注目を集められたとワクワク感が勝ってしまって、悪いことを止められなくなることがあります。
なので基本的には目を見ず真横に座って手で絵本を抑えて「投げないです。」「痛いから投げてほしくないな」「物は投げません。」と淡々と伝えて、それでも止まらなければその場から離れてみましょう。本人は「投げたかったの!」と泣いたとしても「絵本は投げないよね」「我慢できて偉かったね」と言ってその場から離れて大丈夫です。
場所を移動することで本を投げなったら、「絵本投げなくて偉かったね!」って言って抱きしめたり、機嫌をとって別なことに繋げるのも良いですね。
そうすると、「絵本を投げてもママは注目してくれない」っていう事を学習していきます。
もし「絵本は投げません」って言われて絵本投げるのをピタッと止めたとしたら、そこでたくさん褒めてあげれば、「絵本は投げちゃいけないんだ。投げるとよくママは見てくれないけど投げないで我慢したらママはきちんと見てくれて褒めてくれる!嬉しいな!」と学習するので、物を投げなくなっていきます。
なのでまず怒らないという事と、淡々と事務的に注意点を伝えること、「〇〇をして欲しい、〇〇はしません、こうしてくれるとママは嬉しいな」という言い方で伝えてあげましょう。
そして目線はあまり合わせない、そっちを向かない、注目しないという3つもポイントです。
今回の絵本を投げるに限らず困った行為があれば、少なくとも3歳くらいまではそのやり方で上手くいきます!
参考になりましたでしょうか。またご質問お待ちしております!
にしむらゆみ
ママ友ドクター®にしむらゆみ 先生/小児科専門医/子どものこころ専門医/乳幼児メディアアドバイザー/子ども発達相談アカデミーVERY主宰
発達専門の小児科医、「ママ友ドクター®︎」の愛称でも人気の3児の母
重度の障害を持つ姉と育つ。周囲からの障害への理解や協力が得られず苦しんだ母を助けたいと医師を志す。
2011年から都内大学病院小児科勤務、発達外来を新設。
2020年、コロナ禍で気軽に相談できる場を失ったママたちのためにオンライン母子支援活動を開始。
ママ目線の医師としてYou TubeやSNSでも情報発信を行う。
ウェブセミナーやライブ配信の発達相談会、子育てイベントを定期的に開催。